おばあさんが!
「喫茶ウカウカ」の常連さんの・・・ウカウカさんが「マダム」と慕うおばあさんが!
・・・・・女の子のかぼちゃをゴンゴンたたいてたのね・・・・。
「トマトはやめてえええええ!」
女の子はあせったあせった。
「お・・・・おばあさん・・・・!どうしたんですか!?何か気に障ることでも!?」
するとおばあさん(マダム・・・?)ギロっと女の子を睨んで
「お前さん、『お父ちゃん』の娘だろう?これはかわり種の野菜だね。
手入れは悪そうだが、やっぱり質はよさそうだ。
これとこれとそれ、適当に切っておくれ。
丸ごとはいらないよ。
こっちは年寄りだ、わかるだろう?
これに綺麗に乗るぐらいの量を頼むよ。」
女の子は怖いものには負ける(長いものには巻かれる)からさ
てきぱきと
野菜を切ったね、そして詰めたね。
するとおばあさん(マダムなのか・・・?)はくいっと指を動かして
「お前さん、運んでくれるだろうね?さあ、こっちだよ、ついておいで」
そう言うと、実にお達者な足裁きでずんずん進んでいったんだ。
女の子は・・・ぜえぜえおいかけた。
(あれえ・・・・どの部屋だろう・・・・んもう・・・ドアを開けておいてくれたらいいのに・・・)
「あのお・・・・すみません・・・・・」
蚊の鳴くような声で女の子が言うと
ふたつのドアがおんなじ速度でひらいたんだ。