「お嬢ちゃんにも手紙が届いたのね。」
「数というものにはね、あまり意味がないの。
一番はひとつとはかぎらない。
わたしたちにとっては、このひとたちみんなが
『一番会いたい人』 なのよ。」
「もちろん、多いからいいってもんじゃない。
ただね、わたしたちには、たくさんの時間があったんだ。
たくさんのひとと出会った。大切に思った。
愛は消えるものじゃないんだ。増えていくんだよ。」
マダムはやさしかった。
(こわいほうのマダムもびっくりするぐらいやさしかった。)
ウカウカさんにも
一番会いたいひと(?)がいたんだよね。
女の子はね、なんだか、みんないっしょなんだなあって
なんだろうね、よくわかんないんだけど、
少し
さびしくなくなったんだって。
そうして、かわり種の森の夏は静かに過ぎていきました。