その6◆出会いのはじまりの話。の3。


売り物(にしようともくろんでた)ケーキで
おっさん(?)をもてなすことになっちゃった。

いやはや、女の子にとっちゃあ
とんでもない午後になってしまったよね。




このおっさんってばもうさあこいつってば性格悪いから・・・
図々しいことこの上なし。

紳士とか言ってたくせにさ、
れでーの部屋をじろじろ見るし
ケーキはいつの間にか3切れ食べてた。

ところが珈琲をひとくち飲むと・・・
大粒の涙がポロポロこぼれたのよ。




こんなに優しくされたことなんてなかったのね。

人のあたたかさ触れた時
そうよね涙もでるもんさ。

女の子は情に厚いからね
そっとやさしくよりそった。

・・・・そしたらこいつ、こう言い出した。

「ケーキもじゅうぶん不味かったけっども
この珈琲・・・・こりゃあなんだいな。

おまえこんなんもんが珈琲だと思ってるのかいな。
なんと不幸なことだったらぺ。」


女の子、あっけにとられたね。
思わずグーが出そうになった時
おっさん笑顔でこう言った。

「よし!ワシがおまえに本当の珈琲を飲ませてやろうじゃないかいな!
ちょっくら準備してくるかいな」




その走りの速いこと・・・・・
あっという間に消えてった。

女の子の「出会い」はこんなふうにはじまったのね。


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またお会いしましょうだったらぺ。