星の降る中現れた彼は 
ポケットから鍵を取り出すと、私に差し出しました。

そうっと指でつまんだ瞬間に、
目の前にたくさんの扉が現れたものだから
びっくりぎょうてん私は驚きのあまり
腰を抜かしそうになったのです。

はて、この鍵はどの扉の鍵だろう?
そしてその向こうには 何があるのだろう?

臆病な私は彼に聞きたかったのですが
彼の言語が私に理解できるはずもありません。

どうしたものかとまどっているとその時

「好きにすればいいのですよ。
この小さな世界はあなたのものなのですから。」

彼の目がそう言っているかのようにひかりました。
ええ、そうです、
私にはそう聞こえたのです。

それは私の心の中に
その時確かにぱちんと生まれた
希望のような灯なのでしょう。


A HAPPY NEW YEAR
みなさまにとってこの一年が
すばらしい年でありますように。

◆1月のお話◆