その1 ◆はじまりのはじまり。



そこそこ町のまんなからへん。
小さい路地のその奥に
なんでだろうねえいきなりね
森がひろがっているんです。


森っていってもそこはにはさ、
やったら大きな花が咲き
やったら大きな野菜が生えて
やったら普通の木も生えててね

ちょっとへんてこりんな森なのよ。


やったら大きな花なんてさ、
ちょっと珍しいじゃあないですか。
一時(いっとき)けっこう人気があって、町が、森が、人であふれてた。

でもねこの入り口にあった看板に
こう書いてあったのね



花をとって帰ることができないと
意外とみんな興味なくすのね。
観光客は減ってった。
それにさ、あんまりにもでっかい花は、近くだと見づらいったらないのよ。
写真も撮りづらいからさあ、SNSでも火はつかなかったねえ。ばえないのよね。

町の人たちにはどこからでも花が見えてたから、
わざわざ森へ入る必要もなかったし。

・・・というわけで、意外といつも
人気(ひとけ)ない森にはだんだんと、
いろんな「かわりもの」だけがやってくるようになったんだって。
森の名前を知って、勘違いして集まってきたって話だよね。

そうそう、この森の名前はね、

「かわり種の森」っていうんだよ。

ようこそ、かわり種の森へ。
さあ、お話を始めようかな。




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